ロシアが歴史に向き合わぬ理由
―― 国内的抑圧と対外的膨張主義を正当化するために
Don’t Speak, Memory: How Russia Represses Its Past
2018年2月号掲載論文
最近のロシアでは、スターリン時代の怪物たちが歴史的復権を果たしつつあり、プーチン大統領はスターリン時代のイデオロギーを都合よく利用している。実際、ロシア政府にとって、歴史は客観的に扱われるべきものではなく、国家イデオロギーを推進するためのツールなのだ。政府は常に正しく、たとえ過去の政策が多大な犠牲を民衆に強いたとしても、それは、政府が選んだ特別な道を歩み続けるためには必要だったとされる。現在のロシア政府は、強権政府のカルトを民衆の意識に植え付け、ロシア民衆と国の歴史的例外性、世界のロシア系住民を統合していくことの特別な価値を訴えるプロパガンダを唱えている。そうすることで、ロシアの対外的膨張主義と国内での抑圧を正当化しようとしている。
- スターリンの復活とロシア政治
- スターリンをどう評価するか
- 検証されない歴史
- 愛国心と過去の正当化
- 膨張主義の歴史と地政学
- 膨張主義と抑圧
この論文はSubscribers’ Onlyです。
フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。
なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。
(C) Copyright 2018 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan